最強の爬虫類であるコモドドラゴン(コモドオオトカゲ)は、人間やライオンなどと同じく頂点捕食者に位置付けられ、その地域において「無敵」の状態にあるとされます。
現在では生存が確認されていますが、一時期パダール島のコモドドラゴンは絶滅したとみられていて、その理由に「パダール島の野生動物を食べつくしたから」というものがありました。
さほど食欲が旺盛な肉食動物ではありませんが、死肉でもなんでも食べるので、現在のように保護下におかれなければいずれ食物となる動物がいなくなって絶滅してしまった可能性は否定できません。

さて、そんなコモドドラゴンですが、以前は人間をも襲うケースが時々ありました。理由は、かつてはコモドドラゴンの生態がよく知られておらず、人間の方が油断していて、もっさりしているのでまさか自分を襲ってはこないだろうと思って襲われてしまった人もいることでしょう。

現在ではコモドドラゴンを観察するために入島が許可されているコモド島やリンチャ島では、見学に必ずレンジャーの同行が必要です。このレンジャーというのは現地ガイドといった意味合いですが、レンジャーのほとんどはコモド島の生まれで、コモドドラゴンと共生しながら暮らしている人々なので、慣れているわけです。

しかも、コモドドラゴンとコモドの住民は兄妹であるという古い伝説もあるぐらいなので、コモドドラゴンとは近しい間柄ということで、ドラゴンの方も襲わないのかもしれません(としておきます)。
それで、死亡事故が起きるのかという話ですが、最近ではめったにありませんが、2024年にレンジャーと離れてひとり行動していたシンガポール人が、保護色で見えず、誤ってコモドドラゴンを踏んづけてしまい、太ももをえぐられるほどの重傷を負ったことがありました。

この時は、コモド島観光の拠点となるラブアンバジョの町から救急搬送されて治療したのですが、この方は亡くなったと伝わっています。その理由がコモドドラゴンの毒によるものなのか、失血によるものなのか定かではありません。
このように、事故が起きると死者まで出かねないということはありますが、少なくともここ20年ぐらいの間に起きた事故では大半がレンジャーの不同行というケースなので、勝手な行動をとるなということになります。

こんな格好見たら普通のトカゲと一緒ですね。とても襲ってくるとは思えない…。
コモドドラゴンは、身体をくねらせて歩く独特の歩様をしていますので、とても敏速には見えませんが、走ると速いです。そして、突如向きを変えて走り出したりしますので、その辺が怖いところです。レンジャーがいればほぼ襲ってくることはありませんが、何かの拍子に、「観光客に向かっていこうとした」という話もたまに聞かれますので、やはり注意すべき存在だと思います。
東山動物園のタロウくんがあまりに可愛いもので、コモドドラゴンは人によく懐くし本当はぜんぜん怖くないんだ、と思う人もいるかもしれませんが、コモド国立公園の本場のドラゴンは野生ですので、見学される方は気を付ける必要があります。

コモド島やリンチャ島のコモドドラゴンは人間を見慣れていますので、食べるために襲おうと思っているとは思えませんが、これが人間を見たことのないへき地のコモドドラゴンだったらわかりませんね。
コモドドラゴンはフローレス島のいくつかある保護区にも生息していますが、ここのコモドドラゴンは正確に何頭生息しているかわかっていないのだそうです。その理由は、危なくてとても数えられないから、といったところでしょう。

Source: Komodo National Park
コモド国立公園では、コモド島やリンチャ島に上陸する際には、ショートパンツやサンダルでの見学を禁止しています。きちんと順守されていないので、実際にはショートパンツでも見学できているようですが、以前ショートパンツとサンダルで上陸を拒否されたという話を聞いたことがありますので、やはりスニーカーにジーンズなど、足を隠す格好で訪れた方が無難です。
これなども、理由は単純に危ないからですね。別に宗教的な意味でもなんでもないのですが、コモドドラゴンに襲われると間違いなく大ケガ以上の出来事になるので、気を付けましょうということです。
今回はちょっとコワい話をしましたが、コモド島を観光される方は、必ずレンジャーの近くで行動するようにし、くれぐれもはぐれたりしないよう、レンジャーのうしろでこっそり拝み見るというのが良いのではないかという話でした。

